開催中止になるんじゃないかとも心配したけど、昼前には雨も収まってきて、いつも通りのフジロックの雨模様になってた。
12:30- Fountains Of Wayne(GREEN STAGE)
この日一番の楽しみはこのFOW。
が、前日遅くまで観過ぎてたりで、出遅れた。
グリーンステージもまだお客さんは少なくて、前方はFOWのファンが集まってたけど、全体的にはちょっと少ないなーという感じで、やや残念でした。
FOWは特段変わったこともなく、いつも通り珠玉のポップソングを演奏して、ほのぼの楽しいライブが繰り広げられる。
ただ、この日は「We Love Japan」と言い、『Trouble Time』を演奏してくれた。
勝手な想像だけど、日本の大変な状況を想って、この曲を送ってくれたような気がした。
この曲は本当に何度聴いても飽きない、彼らの曲の中でも屈指の名曲だと思うけど、あの自然の中で聴くと格別。
この曲のPV、初めて観たけど、渋谷で撮影してる。
1999年頃の作品なのだけど。
Troubled Times - Fountains of Wayne from fountainsofwayne on Vimeo.
この日聴いた新曲の中では、『a dip in the ocean』がライブ映えするという発見が。
夏の曲だからということもあるだろうけど、爽やかな風が吹いてくる気がした。
晴れてたら、最高だったろうなぁ。
最後から2曲目はみんな大好き、『Stacy's Mom』を演奏。
会場にいたファンも大満足。
ラストは『Sink to the Bottom』。
最後はギターをかき鳴らして盛り上げ、颯爽と去っていった。
単独来日が待ち遠しい。
BEST COAST(RED MARQUEE)
この日が初来日となったBEST COAST。
去年リリースしたデビュー・アルバムは日本でもヒットして、当然注目されてる中でのライブ。
私もデビュー・アルバムは買ったし、それはそれで好きだったのだけど、バンドの持ち味である気怠さ漂うガレージ・サーフ・ポップはこのデビュー・アルバムで十分かなという気もして、正直、この作風で次も出すのは厳しそうかなと思ってた。
で、この日は次のアルバムからの新曲も何曲か演奏してくれてたのだけど、次回出るアルバムは大きく路線変更してそうな感じがした。ややブルース色が強いような印象。
CDで聴いてた印象とライブで観た印象はかなり違った。
ボーカルのベサニーの歌声は、ポップというより、どこか陰を感じさせる。そして、同性から支持される姐御っぽいかっこ良さがある。
とにかく、既に貫禄十分。
これから出てくる女性アーティストに大きな影響を与えそうだし、例えばSonic Youthのキム・ゴードンだとか、Pixies/The Breedersのキム・ディールだとか、そういう女性アーティストの系譜に名を連ねる存在になるかもしれないと感じさせた。
調べてみると、ボーカルのべサニーは以前、Pocahauntedという、サイケ/ダブがベースの実験音楽っぽいことをやってるバンドにいたようで。
ただ単にサーフポップのトレンドに乗って突然出てきた人ではないっていうことがわかる。
まだ20代前半と若いのに、かなり豊富な音楽的バックグラウンドを持ってそう。
一見するとわかりやすいポップソングのようだけれど、このバンドは単純明快なことをやってるわけではなく、実はポップを装ってるだけで、それはアイロニックな裏の面を自然と浮かび上がらせるための手段なのかもしれないなと、なんとなく観て思った。
岡林 信康(FIELD OF HEAVEN)
フォークの神様、HEAVENに現れる。
ライブを観るのはもちろん初めてだったけど、この方はとにかくトークがおもしろい。さすが関西出身。
「ボブ・ディランという人を知っていますか?アメリカの岡林と呼ばれてます。」
と言い、どっと笑いが巻き起こる。
もう60歳を過ぎているけれど、動画で観た若い頃の映像より今の方がハンサムに感じられるぐらい、元気でハツラツとしてる。
プロテスト・ソングを歌っていた人という先入観を持っていると拍子抜けするくらいに、気さくでおもしろい「おっちゃん」だった。
「フォークの神様」として一世を風靡した後、この人は演歌、日本民謡に傾倒していったようで、この日のステージも津軽三味線や和太鼓、尺八の演奏者とともに演奏した。
トークはもちろん、観客とのコール&レスポンスで観客を自然と惹き込むことに長けてる。
観客の掛け声が小さければ、「今我が国に必要なのはちまちまとした理屈ではない。火事場のくそ力なのだ」とハッパを掛けて盛り上げる。
普段どれだけ洋楽を愛聴していても自分は日本人であって、この日本の伝統楽器の音色を聴くときにふと、自分は日本人なのだという自明のことを認識させられる。
それは、前日のソウルフラワー・ユニオンを観ていたときにも感じた。
普段は特別に意識していなくても、民謡の要素が混じった音楽性からは日本人としての「アイデンティティ」を感じずにはいられない。
世界中のアーティストが集まるこのフジロックの中では、そういった日本固有の音色が一際オリジナリティを感じさ、耳に新鮮に響く。
そして、両アーティストに共通して感じるのは、普通の人々の暮らしにそっと寄り添うような「温かさ」。
どちらのアーティストも、今も関西を拠点に活動しているという共通点もある。
私自身が大阪生まれ大阪育ちだから、余計に親しみを感じるのかもしれない。
当時まだ無名だったはっぴいえんどをバックに演奏。
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