2009/11/10

NHK プロフェッショナル 仕事の流儀「小売り再建」

本日放送されたのは、これまでにイトーヨーカ堂、良品計画、ファーストリテイリングで経営を立て直し、現在はスーパー、成城石井の社長を務める小売り経営のプロ、大久保恒夫氏。

社長であるが、タクシーは極力使わず、社長室も持たず、営業チームの一角にデスクを置く。
そして、週の半分は店舗へ足を運び、品揃えや接客など、店の状態を見る。

しかし、その場で直接現場スタッフには指示を出さず、組織のルートを用いて指示を出す。

例えば、大久保氏は「売上で人事評価はしない」。
何故ならば、小売店は「お客様に喜んでもらえる店作り」が何よりも大切だと考えるからだ。
その時に買ってもらえなくても、「いいお店だな」と思ってもらえることで、再び足を運んでもらえる。
よって、店の品揃えが充実していることは不可欠だ。
在庫リスクを恐れて品切れが発生してしまっては、魅力ある店作りはできない。
「意識を変えろ」というのは、どの小売業でもよく言われることだが、本部からの指示で現場スタッフの意識が自然と変わることは、ほとんど期待できない。
そこで彼は、在庫切れが頻発している店舗に対しては「損失を出していい」と具体的に指示を出す。

これまでに大久保氏が他の企業でも行ってきたことは、
・エリアマネージャーを配置し、店舗と本部の意思疎通を図る
・本部のみではなく、各店舗に権限を与え、発注や商品展開を任せる
といったことだ。

本部から機械的に指示を出し、命令するのではなく、
あくまでも「現場が考えて行動すること」が大切だと彼は考える。

店作りのヒントとして
・「優位置」に人気商品を置く
・たくさんの商品の中から「選ぶ」という行為に満足してもらう
・「フェイス」数を増やす(売れ筋、オススメ商品)
・在庫をたくさん持つ
といったことが挙げられていた。

いい店は「店のスタッフが自由にアイディアを出し合う」雰囲気がある。

これまでに経営コンサルタントを行ってきた大久保氏は、それまでのファーストリテイリングの店舗を見学して「効率最優先のやり方が足かせになっている」と感じたそうだ。

大久保氏は、大学卒業後、イトーヨーカ堂に就職。
経営を学びながら、仕事中は時間があれば店舗を視察していたそうだ。

小売店がいい方向へ変わっていくときは「働いている人の顔つきが活き活きしてくる、明るくなる」という変化があるそうで、その発見がたまらないそう。
また、店長とスタッフの意思疎通が図れていることも重要だ。

今回は成城石井の北千住の店舗スタッフが変わっていく様子をレポートしていた。

大久保は「変えるのではなく、変わるのを待つ」。

北千住店の店長にヒントになりそうな店舗を視察に行くように伝える。
店長は、視察先の店で「店長が自らの思いをスタッフに朝礼で伝え、目標を共有し、気持ちを一つにすること」の重要性を肌で感じた。

口下手だった北千住店の店長は自分の店に戻り、スタッフと話し合いを行い、自らの思いを率直にスタッフに伝えた。すると、スタッフの側から意見が出てきて、スタッフ全体の意識が変わっていった。


今回の放送を見て、重要だと思ったことは
「仕事を楽しむこと」「パートやアルバイトも含め、スタッフの気持ちが一つになること」「一人ひとりが自ら考え、アイディアを実行できる組織の仕組み、環境」。

数字だけ見ていても変わらない。
現場主義を貫いていきたい。


NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「第129回 大久保恒夫」
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/091110/index.html

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