2009/12/12

田中宗一郎編集長がゲスト 「音楽ジャーナリズム論」 2009/12/11 @渋谷東急セミナー

先日、音楽ライターの岡村詩野さんが渋谷東急セミナーにて隔週で開催している「音楽ジャーナリズム論」の講座に、ゲストとしてsnoozer編集長の田中宗一郎氏(以後、タナソウ)が招待され、貴重なお話を聞くことができました。

岡村さんはsnoozerでもお仕事をされていて普段からタナソウと親交があり、今回この講座にタナソウが来るのは3回目とのこと。
今回は、最新号のsnoozerの表紙を飾ったCharlotte Gainsbourgの来年1月にリリースされる新譜音源をかけながら、このCDのレビューを書く、というお題で講義が行われた。
まず、講座生に「何について書くか」ということを一人ひとりに聞いていき、ホワイトボードに整理する。

あまり詳しくは書けませんが。


●文章を書く前にする作業

私にとって発見だったのが、「作品に対する要素を細かく分けて全部書き出す」ということ。
つまり、私たちは音楽を漠然と聴くもので、音楽評論家はそれを細かく分けるところから分析が始まるわけです。


●読み手を意識する

そして、一番大きな気付きだったのが、読み手に対する意識の仕方。

「どうやったら、どんな階層の人でも理解できるような文章になるか」

これは言われると納得するのだけど、音楽雑誌なんてものは実際には一部の人が読むものなので、そこまで幅広く読者層を意識しているとは思わなかった。

「幅広い層を掴むためにはどの要素が最も訴求し、伝わりやすいのか」

考えることが大切ということです。

理想は不特定多数に読まれること。


●「伝えたいこと」と「書きたいこと」

また、タナソウは講座生に
「伝えたいから書く?書きたいことを書くために書く?どっち?」
と質問をした。

私は正直、「伝えたいこと」と「書きたいこと」を区別できなかった。
私の中では「伝えたいこと=書きたいこと」と思っていたので。

「伝えたいこと」⇒相手とって必要だと思われることを、相手に伝わるように書く
「書きたいこと」⇒相手を意識せず、自分の好き勝手に書きまくる
ということ?


●文章の魅力=書き手の魅力

作品の本質は一つではなく、それは書き手によって異なる。
だから結局のところ、そのレビューや文章が「正しいかどうか」は重要ではなく、「論旨が明確か、はっきりとしているか」が書く上で最も重視しなければならない、とのこと。
そして、

文章のおもしろさ、魅力=その人の人間的なおもしろさ、深み、書き手のスタイル

だということ。

snoozerの魅力は、タナソウの人柄の魅力そのものと言っても、反論する人はほとんどいないでしょう。
タナソウの話は人を惹きつける。
音楽でなくても、どんな題材を取っても、タナソウは人を惹きつける文章を書くことができるだろう。

論旨がはっきりとしていれば、それに対して読み手は賛同や共感もできるし、反論も嫌悪もできる。
その文章に対して、何らかの反応が生まれる。
だが、論旨がはっきりしていないと、たとえそれが正しいことを言っていたとしても、反応は生まれない。

論旨がはっきりしている=自分のスタンス、スタイルが確立している

有名なライターの文章は、それぞれ特徴がはっきりしていて、好き嫌いもはっきりしている。
もちろん、しっかりとした音楽的知識、経験があってこそ、論旨をはっきりさせることができる。

私の文章は、何が言いたいのかわからない。
まさに、自分の内面が表れている。

自分のぶれない軸を確立することが大切。


●最後は、webやtwitterの話

タナソウ、最近はすっかりtwitterの虜のようです。

http://twitter.com/soichiro_tanaka

ただし、ブログの文章は紙の文章に比べるとどうしても洗練されない、とも言っていた。

twitterの魅力は、「瞬間的」なところにあると。


予想以上にとても充実した内容で、満足のいく講座でした。

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