サマソニ、後半。
*A TRIBE CALLED QUEST
今回、サマソニに行くのを決めたのは、PixiesとこのATCQの出演が決まったから。
私がHip Hopに興味持つきっかけになったのがATCQ。
Hip Hopそれまで聴いてなかった私でも、一聴してすぐに惹きこまれた。
マリンステージでATCQの前にやってたSUM41のお客さんがかなり入っていたらしく、アリーナからちょっと覗こうかなと思ったけど入場待ちの行列が出来ていたため、2Fのスタンド席へ。
この日初めて観るマリンステージ。
暑いけど、風が気持ちいい。
でっかい開放的なステージに、メンバーが登場。
ステージは一瞬にしてニューヨークの雰囲気に包まれた。
『Steve Biko(Stir it up)』でスタート。
「represent, represent」の生MC。
スタンドから見えるアリーナのお客さんはみんな手を挙げていた。
すこぶる楽しそうで、「やっぱりアリーナ行けば良かった」と心の中で思う。
次から次に飛び出すお馴染みのナンバー。
『Can I Kick It?』でのコール&レスポンス。
「Can I kick it?」「Yes, you can!」
「Can I kick it?」「Yes, you can!」
楽しすぎる。
Q-TipのMCは冴え渡り、メンバーが目まぐるしく立ち位置を替えて、機敏に動く。
パフォーマンスだけでも十分の見応え。
あの広い会場でやっと釣り合う。
ただ、ATCQ特有の、温かみのあるジャジーで繊細な音の細かい部分とかは、さすがにあの広い会場のスピーカーでは堪能するのはちょっと無理があると思った。
途中のMCで、会場のスタンドで観てるお客さんがみんな座ってるのを指摘して、「みんな座ってるけど、パーティーしたくないのか?」みたいなことを英語で言ったけど、お客さんの反応がイマイチだったので通訳の日本人女性を呼んで、「上の方にいるみんなも立ち上がって楽しんでください。」と呼びかける。
これに、お客さんもこれまで抑えてきた気分を解放させて、スタンド側もどんどん立ち上がる。
ここからが、怒涛のヒットナンバー連発。
後半は本当に1曲1曲聴き入ってしまう。
イントロ流れてきただけで鳥肌たった『Check The Rhime』。
一番の盛り上がりだった。
まさか生で聴けるようになるとは。
『Electric Relaxation』に『Scenario』。
どれもイントロだけで会場全体が大興奮。
そして、『Award Tour』。
ほとんどが『Midnight Marauders』からのナンバーだった。
やはりこのアルバムは特別ということですね。
myspace
http://www.myspace.com/atribecalledquest
*Black Rebel Motorcycle Club
マリンから再び幕張メッセに戻ってきてソニックステージへ。
BRMCはATCQと被ってなければ、最初から最後まで観たいアクトだった。
ステージ後方には、ドクロマークの入った大きい幕が。
イメージ通り、真っ黒。
着いて、ちょうど演奏始まったのが、前作『BABY81』からの『Berlin』だった。
渦巻くグルーヴ。
このバンドは改めてブルースの色が濃いと思った。
98年結成のベテラン。
BRMCは毎回リリースしてくる作品もそうだけど、ライブもバンドのイメージを崩すことなく、安定している。
敢えて生意気なことを言うと、意外性が欠けた。
自分が好きな音だけに、もう少しぐっとくるものがあっても良かったはずなのだけど。
20分ぐらいしか観れなくて、あっという間に終わってしまったからかもしれない。
時間帯的にお客さんが分散しやすかったと思われ、観客の入りがイマイチだったのは残念。
それでも、いかにも黒いロックが好きそうな人たちが熱狂して魅入っていた。
myspace
http://www.myspace.com/blackrebelmotorcycleclub
*Jonsi
Jonsi、相当な人気で、ソニックステージは始まる前からJonsi待ちのお客さんで満杯になっていた。
そんなに売れる音楽とも思わないのだけれど、CDもロングセラーで売れてる。
幅広い層に聴かれてるよう。
Sigur Rosのライブと同様、後方のスクリーンに映し出される映像がとても印象的で、会場にいたお客さんも皆、圧倒されるように見入っていた。
動物や自然のイラストが流れる。
アイスランドの自然が頭に浮かんでくる。
前半は静かな曲が演奏されて、厳かな雰囲気に包まれた。
スティービー・ワンダーを観に行こうと考えていたので、Sonic Stageを出ようとしてたところで、『Go Do』が流れてくる。
個人的には、Sigur RosとJonsiのソロにそれほどの違いは感じられなかった。
Jonsiのソロ活動で、Sigur Rosの今後の作品も変わっていくかもしれない。
Sigur Rosでのライブがまた観たい。
myspace
http://www.myspace.com/jonthorbirgisson
*Stevie Wonder
Pixiesはフルで観たいから、Stievie Wonderは少しだけ観れればいいと思って、開始から15分ぐらいたってマリンステージに到着してアリーナに入ったのだけれど、なんとまだ始まってなかった。
さすが大物。
お客さんは余裕の表情で、登場を心待ちにしていた。
アリーナから見ると、夜のマリンステージのスタンドにカメラのフラッシュが輝いていて、「夏フェスの締めくくり」という雰囲気が漂っていた。
開始から20分過ぎて、ようやくスティービーが登場。
大歓声が上がる。
スティービー・ワンダーは本当に有名な曲しかしらないのだけれど、
一つ言えるのはやはり、「無理してでも観に来て良かった」ということ。
というか、この曲、Stevie Wonderの曲やったんや!という発見が。
途中で女性のボーカルを呼んで、椅子の横に座らせる。
ぴったりと寄り添った二人の映像がスクリーンに大きく映し出され、甘いムードに。
スウィートでメロウでロマンチック。
ソウルもこれからもっと聴いていこうと思う。
もうたぶん生で観れる機会はないと思う。
生きるレジェンドの生音を体験できたのは本当に貴重だった。
*Pixies
開始時間に調度間に合うように、幕張メッセに戻る。
予想通り、Pixies待ちのお客さんで前方は埋まっていた。
ベースのキムの立ち位置は確か向かって左だったような、と前回の来日の時の虚ろな記憶を辿りながら、
かなり前方の場所まで来て、ステージ左側でメンバーの登場を待つ。
会場が暗くなると、大歓声が沸き起こる。
お客さんの肩越しから見えるフランシス、キム。
キムは向かって右側だったのは誤算だった。残念。
ライブはアルバム『Bossanova』のオープニング・ナンバー『Cecllia Ann』で始まる。
イントロ・ナンバーなのだけれど、否応なしに会場の温度は一気に上がる。
『Bone Machine』、『U-MASS』、『NIMROD'S SON』、『Caribou』、『Break My Body』などなど、惜しみなく次々とヒット曲が演奏される。
Niel Youngのカバー曲である『winterlong』も披露。
キムの少女のような可愛らしい歌声は、本当に何歳になっても全く変わらない。
この曲になると、一転してほのぼのしたムードが広がる。
『Broken Face』の始まりのフレーズ、フランシスの「I got a broken face Uh-hu, uh-hu, uh-hu, uh-hu」が聞こえてくると、あちこちから狂った喜びを表す悲鳴が。
印象に残ったのは『Dig For Fire』。
始まりのイントロで、わざとなのか、メンバーは音の調子を外す。
「私たち、サマーソニックに向けて練習したのよ」みたいなことをキムが言って、会場に笑いが起こった。
取り直してもう一度。
やはり、物凄くいい曲なのだと、生で聴いて改めて思った。
前回のフジと単独公演観た後に、Pixiesのドキュメンタリー映画「Loud Quiet Loud」を観た。
それまで知らなかったメンバーの姿。
メンバーの不仲がそれほど深刻なものだとは知らなかっただけに、驚いた。
けれど、本当に印象に残っているのは、再結成で集まっても楽屋は別々でメンバー同士の会話もないのだけれど、4人がリハで音を一緒に鳴らすと、ぴたっと呼吸が合う。
4人揃うとバンド・マジックが起こる。
『Gouge Away』の緊迫したあのギターのリフ。
『VAMOS』では、あのタイトなドラムがひたすら続き、ギターのジョーイのソロが展開された。
ギターを床に置いて鳴らすという実験的なパフォーマンスが5分ほど続き、そして最後は4人がリズムをばっちり合わせて締めくくる。
本当にこのバンドは不仲で解散してようやく再結成したバンドなのか、と信じられない気分だった。
『Planet Of Sound』も非常に切れててクール。
その頃には完全に私の頭はイカレテしまってた。
そして、『Debaser』では大合唱。
お客さんは跳ねる。
フランシスは息が切れることもなく、あの巨漢の身体で雄叫びを上げ続ける。
もう40代中盤なのに、そのパワーは全く衰えてない。
何度聴いても最後のギターのリフは、この上なく快感。
そして続けざまに聴こえてきたのが、あの低いベース音。
このときの、異様な雰囲気が忘れられない。
女の人の悲鳴があちこちから聞こえる。
それぐらい、Pixies好きの、キムを心から愛する人たちにとって特別な曲なんだろう。
私もいろんな想いがむせかえって、ちょっと泣いた。
何度も心の中で「キムー!!」と叫んだ。
この曲はPixiesの数ある名曲の中でも本当に別格。
本編最後は『Where Is My Mind?』。
アンコールで『Here Comes Your Man』をさらりとやって終了。
最後はメンバーが一列になっておじぎをした。
この日のライブを観る限り、今後も再結成ライブは続けていきそうに感じた。
キムはThe Breedersでの来日も待ち遠しい。
myspace
http://www.myspace.com/pixies
この日のサマソニ、ベストアクトはThe Drums、A Tribe Called Quest、そしてPixies。
さすがのレポート、完読させていただきました!
返信削除やっぱりJonsiは観に行くべきだったと、
いろんな人の話を聞いて後悔。。。
BRMCは、ベテランのシブさが出てるよね!
03年ぐらいに出したアルバムのグルービーな感じも
けっこう好きやったりする。
Q-Tipは、Chemical Brothersの曲で存在を知ったん
やけど、声の独特さがイイよね!
Pixiesは言わずもがな♪
彼らがサマソニに来る、ってなった時点で、
ユカを取られた~!と思ったりしました(笑)
あはは、そう、Pixiesでフジ今年は辞めたからね~
返信削除でも、正解やったかなと思うよ。
BRMCはセカンドとか聴いてないんやけど、やっぱいいんやね~毎回、評価高いもんね。
Q-TipはChemicalで知ったんや。
なるほど。
ソロも文句なしにいいよね~
実は2005年のサマソニにも来てたんよね。
あの時は思いっきり観逃してるけど、確か元カレが一人で観に行ってて、めっちゃ良かったって言ってた気がする。
244も2005年は行ってたよね。