シューゲイザー御三家と言えば、マイブラ、ライド、そしてこのChapterhouse。
初めて『Pearl』を聴いたときの感動は忘れられない。
今回は、その90年代初期のカリスマ・シューゲイザーバンドのChapterhouseの来日公演に、現役シュートロニカ最高峰のUlrich Schnauss、そしてマイブラ好きから高い評価を得るカリフォルニアの新世代シューゲイザー・デュオのFleeting Joysが参加。
19時15分頃に会場に入ると、すでにFleeting Joysの轟音で埋め尽くされていた。
●Fleeting Joys
バックには、緑がかったぼんやりとした映像が流れてた。
ヴォーカルもあくまで音の一部。
ひたすら甘美で幻想的なギターのフィードバック・ノイズ。
CDで聴くより、ライブの方がより音の洪水に浸ることができて良かった。
マイブラを生で観れないシューゲイザー好きにとっては至福の空間でした。
この曲もメロディが切ない
You Are The Darkness
Magnificent Oblivion
演奏曲(覚えている範囲)
Cloudlike Mercury
You Are The Darkness
The Good Kind Of Tomorrow
Go And Come Back
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●Ulrich Shnauss
前半の2曲はKirsty Hawkshawという女性シンガーがヴォーカルに参加。
PortiseheadやMassive Atackといったブリストルに通じる世界観があった。
その後は、Ulrichはソロでラップトップとシンセサイザーを使い、めくるめく音を生み出す。
なんと言っても、背後に流れるヨーロッパ各国の年の映像と音の融合が素晴らしかった。
車を走らせながら録画された街中の映像。
ビジネス街や駅やビルの風景が淡々と流れる。
車は街中から高速道路に乗り、電線、鉄塔、大きな風車といった広大な景色がスクリーンに入ってくる。
Ulrichはドイツのアーティストなのだけれど、工業国ということがこうしたエレクトロニカやテクノが生まれる背景にあるんだろうなと、映像を見ながら思った。
映像に街行く人の姿は映し出されるのだけれど、無機質で温かみは感じられない。
テクノミュージックとドイツついては、ドイツ大使館のホームページで興味深い文章が載せられてます。
映像は段々と郊外へ移動し、さらにはアジアを感じさせる大草原へと移っていく。
終盤の映像は、1stアルバムの、断崖から海を眺めているジャケットを髣髴させるものでした。
サウンドに関しては、前半は3rdアルバムの流れで重厚なエレクトロニカ中心であり、低いビートがズンズン響いてました。
音圧がすごくて、身体中で音を浴びる体験。
圧倒的で、決してCDでは感じられない音だった。
そして、徐々に2ndや1stで聴かせた光を感じさせるエレクトロニカ、シューゲイズサウンドへ。
最後は高速で音が目まぐるしく回転して、息もつかせぬパフォーマンスは圧巻。
流れの構築の仕方などは流石としかいいようがなく、DJをやる人が観たらとても参考になるのではないかと思った。
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●Chapterhouse
メンバーは若かりし日の面影はあるものの、もう恐らく40歳超えていて、いい感じで歳を取ってました。
ツイン・ギター、ツイン・ヴォーカル。
ライブで聴く実際の轟音は、想像以上にギターの音がしっかりとしていて、シューゲイザーというよりも、正統派ギター・バンドという印象だった。
『Falling Down』のギターは、マンチェ好きな人に聴いて欲しい。
儚さよりも力強さの方が全面に出ていて、単純にかっこいい。
『Breather』のイントロが流れると、会場は90年代のインディー・ダンスミュージックの熱気が再現されたかのようだった。
浮遊感がたまらなく気持ち良かった『Treasure』。
意外な発見だったのが、『Come Heaven』はアコギだったということ。
ギターをアコギに変えて、座って演奏してくれた。
これは驚きでした。
そして、『Pearl』。
この曲が聴きたくてこの日足を運んだ私。
イントロだけでもう満たされました。
ライブを観ながら、Chapterhouseはもっとメジャーな存在になっていても決しておかしくないバンドだと思った。
「シューゲイザー」という評価で括られてしまったために、シューゲイザーブームが過ぎ、人々に飽きられてしまったのじゃないかと。
実際に2ndアルバムの『Blood Music』ではシューゲイザーから進化して、マンチェに通じるダンス・サウンドを追求してる。
このアルバムが1stほどキャッチーな楽曲が多くなかったために売れなかった。
本編ラストの曲が2ndからの『Love Forever』だったところに、彼らの姿勢が垣間見えた気がした。
この曲もマンチェっぽいビートがかっこいいです。
この日のライブは、非常にしっかりとした現役さながらの演奏だった。
夏フェスで再来日したら、もっと多くの若い人に聴いてもらえるのにと思う。
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