Yo La Tengoの東京公演は2Daysで、この日が初日。
翌日の品川ステラホールのYo La Tengo単独のライブはまだチケットがあるようだったが、この日はソールドアウト。
職場の先輩も実は先行で申し込んだけど抽選で外れて行けない、とのこと。
羨ましがられた。
ということで、19時15分ぐらいに会場に入ったところ、ステージ最後部までお客さんぎっしり。
ゆらゆら帝国は4年ぐらい前にフジロックで観た以来。
・『穴』
変拍子のスカスカした空洞を感じさせる音でカオスの世界を繰り広げる。
・『やさしい動物』
カオス、カオス、カオス。
変としか言いようのない、それでいてクールな曲。
・『3X3X3』
徐々に加速するリズムと坂本さんの叫びで、完全にスイッチ入る。
自然に身体が動く。
日本が世界に誇るロックンロール。
・『おはようまだやろう』
最新アルバムから演奏。和んだ雰囲気に。
・『ミーのカー』
横への広がりから、今度はサウンドはどんどんと深化していく。
とろけるサイケデリックの世界。
時代がタイムトリップしたかのよう。
・『無い!!』
延々と心地よい演奏が続き、フレーズは繰り返される。
こんな音は、Fuji Rockのあの自然の中で聴きたい。
10分近い演奏はもうただただ、幸福感で満たしてくれた。
最後は、最新アルバム収録曲の『ひとりぼっちの人工衛星』で、ほのぼのとあったかい音で締めくくった。
しびれるかっこ良さと、緩い心地良さ。
玄人受けするライブとはこういうものだろう。
ゆらゆら帝国目当てのお客さんもけっこういたのか、Yo La Tengoのセットチェンジの間に、一気に空いたので、前方へ。
そして、Yo La Tengoが登場。
最新アルバム「Pop Songs」からの『Here to Fall』でスタート。
次は、とてもキュートでポップな『Mr. Tough』(「I Am Not Afraid Of You And I Will Beat Your Ass」収録)。
そこから一転して、幽玄で美しい最新アルバム収録の長尺のナンバー『More Stars than There Are in Heaven』。
私はYo La Tengoの音楽に夕暮れ時を感じる。
アメリカ郊外の夕方。日が沈み、徐々に街頭が灯る。
思い浮かべるのは、ハイウェイ。
先には家族が待つ家がある。
全くの想像だけど、私はいつもそんな風景を彼らの曲からイメージする。
こういう曲を変わらずに生み出し続けられるところに、彼らが愛され続ける理由の一つを見出すことができるのではないだろうか。
『Madeline』は「And Then Nothing~」に収録された、やさしいナンバー。
再び、最新アルバムからポップでベースラインが印象的な『If It's True』を。
ロマンチックで夢心地気分の『.I'm on My Way』では、気持ちよくて思わず寝てしまいそうになる。
そして、『Tom Courtenay』のアコースティックバージョン。
彼らの曲の中でも、屈指の名曲だと思う(「Electr-O-Pura」に収録)。
会場全体が曲に聴き入っていた。
Georgiaがボーカルのアコースティック・バージョンと原曲は全く違う印象を与える。
アコースティック・バージョン
再び、最新アルバムからYo La Tengoらしい、絶妙なリズム感と大胆なキーボードのメロディ・ラインが特徴的な『Periodically Triple or Double』を。
前衛的な超絶ナンバー『False Alarm』(「Electr-O-Pura 」収録)。
Iraの大胆なキーボード演奏は圧巻。
途中からはマラカスも加わり、完全にスイッチ入ってるお客さんが後ろで踊り狂っていた。
そこから、疾走感溢れるポップな『Nothing to Hide』(「Popular Songs」)へ。
バラエティに富んだ曲を次から次へ演奏できるベテランの貫禄。
彼らの楽曲の幅の広さを改めて感じた。
そしてそして、一番好きな曲のイントロが。『Sugarcube』(「I Can Hear the Heart Beating as One」収録)。
頭の中が真っ白になるくらい、鳥肌が立つ。
会場のお客さんからも大きな歓声が上がる。
何度聴いてもいい曲。
大学生の頃、「I Can Hear ~」が本当に好きでよく聴いていた。
今聴いてもその興奮は全く変わらない。
PVも最高。
印象的なドラムと、郷愁を誘うメロディラインがあまりに美しいナンバー『Blue Line Swinger』(「Electr-O-Pura 」収録)で本編の最後を飾った。徐々に激しく、速くなり、広がっていく轟音ギター。このままずっと鳴り止まないで欲しいと、会場にいるほとんどの人が思っただろう。
アンコールでは、Yo La Tengoからのクリスマス・プレゼントが。
「パンパラパーパッパッパ~」のコーラスで始まるあの曲。
『You Can Have it All』。
その振り付けはこんな感じ。
今回はGeorgiaは踊らず、しっとり歌ってました。
巨漢のJamesと、真面目な顔で真剣に踊り続けるIra。
この二人の組み合わせが愉快でしょうがない。
IraとJamesのキュート過ぎる振り付けは会場を幸せなムードで一気に包み込む。
その後にしっとりと『Can't Forget』を演奏して、アンコール終了。
それでも、お客さんは帰らない。
お客さんの拍手に応えて、再び登場!
この日はゆら帝の後だったので22時近くになっていたけれど、2度目のアンコール。
本当にあったかいバンド。
最後は、Liveでいつも彼らがカバーする時のバンド、Condo Fucksで締めくくった。
現役で活躍しているアメリカン・オルタナティヴ・バンドの最高峰。
であるにも関わらず、素朴であたたかいステージ。
彼らの人柄が滲み出た空間。
心から満足できるライブだった。
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